12歳のヴラドが闘技場で獅子の獣人に殺されかけているのを救った少年。(別項参照)気まぐれで雇い主の富豪に頼んで盛り上げ名目で自らの乱入を許可させ、さらには自軍に引き入れた。長く腰まで伸ばした美しい金髪と青い瞳、浅黒い肌が特徴的。剣士としての実力も抜きん出ており、腰に差した二本の短刀で曲芸のように攻撃をいなしながら素早く相手に組みつき首を裂く。見目の美しさをおぞましく際立てるその残忍な戦いぶりに闘技場の人気は確固たるものだった。奴隷には少ない常に明るく飄々とした性格で、常に彼のまわりには他の奴隷が集まってくるが、一切それを拒むそぶりを見せることはなかった。しかしひとたび試合になれば相手には一切の容赦がなく、眉一つ動かす事なく首をはね剣を突き立てる。その実力と人望の厚さには雇い主も一目置いており、スターとして実子並の待遇を受けてもいた。ヴラドのことを自分の弟の様に可愛がり、彼に生き残る術を教え、ヴラドにとって友以上に師であり兄のような存在でもあった。ヴラドが才能を開花させ肩を並べるまでになると、2人は闘技場の花形として名を上げ、数年の間彼らは闘士としての名誉を欲しいままにしたという。しかしその幸せも突然に終わる。ヴラドが17になったころに彼の存在に飽きて疎ましく思った雇い主が、彼を慕っていた取り巻きの闘士を全員殺害し、彼自身にも毒を射たのである。重い病に伏し、死に向かう直前にヴラドと兄弟としての血の契りを交わして、彼はその20年の短い生涯を閉じた。毒に犯され痩せ細ったその亡骸はまるで枯れ草の様だったという。(設定としてはジェイド船長が彼の生き写しというもので、ヴラドがジェイド船長にこだわる理由の一つです。ヴラド君、思春期においては割とまともな青春送ってます。その辺もおいおい創作できたらなと思います…)